クルマを走らせたのはいいけれど、どうもいつもとは乗り心地が違っていて不安になったことありますか?タイヤはクルマが路面に接している唯一のパーツで、車の安全性を支える重要なパーツですが、日常的な点検が怠られることが少なくありません。本記事では、空気圧や溝のチェック、ローテーションなど、自分でできるタイヤメンテナンスについて解説します。ほんのちょっと見てみるだけで、安心感が断然違います。ぜひやってみてください。

空気圧の点検
まずは、空気圧のチェックから。適正な空気圧は燃費や操縦性、タイヤ寿命に影響します。空気圧不足は偏摩耗や燃費悪化を招き、過剰な空気圧はバースト(タイヤの破裂)のリスクを高めます。自宅には空気圧を測る機材がない場合でも、ガソリンスタンドにはエアゲージが設置されているので、給油したついでもちょっとだけチェックするのがおすすめです。
点検手順:
- 冷えているタイヤでエアゲージを使用するのがいいので、お出かけ前などにチェックしましょう。
- 運転席ドア内側、給油口の蓋裏などに記載されている適正値を確認してください。
- 実際に測ってみる(kPa/ psi /barの単位があるのでエアゲージの目盛りを間違わないように)
- 必要に応じて補充し、最後に忘れずにエアバルブキャップを締める。
ちなみに、タイヤの空気圧の単位には、主に以下の3つがあります。
- kPa(キロパスカル):国際単位系(SI)で推奨される単位。例:220 kPa
- bar(バール):ヨーロッパなどで使われる単位。1 bar = 100 kPa。例:2.2 bar
- psi(ポンド・パー・スクエア・インチ):アメリカなどで使われる単位。1 psi ≈ 6.89 kPa。例:32 psi
日本の車の取扱説明書や車両ラベルでは、kPaとbarが併記されていることが多いです。
タイヤの残り溝をチェック
タイヤの溝は雨が降っている路面を走る時、タイヤと路面の間に水が入って隙間を作ってしまわないように排水することが役割なのですが、この溝が少なくなると十分な雨水を排水できずグリップ力がなくなってしまうためどれくらいの溝の深さがあるかを把握しておくのは非常に重要です。溝が浅くなるとスリップしやすくなり、スリップサイン(溝が1.6mm以下になると現れる目印)が見えたら即交換が必要です。これは、1.6mmまで使える、ということではなくて、高速道路をよく使う、などの場合は、前もって替えておくと安全です。
チェック方法:
- タイヤ側面の三角マークを目印に、溝内のスリップサインが出ていないかを確認。
- 10円玉や専用ゲージを使い、溝の深さを測定(2~3mmで交換を検討し始めましょう)。
偏摩耗の確認
タイヤは均一に摩耗していく、と思っていませんか?よくあるのは、内側が早く摩耗してしまって、外からみると外側は溝があるので、安心してしまう、ということがよくありますの注意が必要です。こういった摩耗に偏りがあることを偏摩耗(片減りやショルダー摩耗など)と呼んでいて、タイヤの向きに異常があったり、空気圧が規定通りでない場合に起こることがあります。
対策:
- 5,000~7,000kmごとに前後左右のタイヤ位置を入れ替える「ローテーション」を実施。
- 偏摩耗が進んでいる場合はアライメント調整も検討。
アライメント調整とは、車のサスペンションやステアリング機構の角度を適切な状態に調整する作業のことです。タイヤの接地角度を最適化することで、走行安定性やタイヤの摩耗を改善できます。
傷やひび割れの点検
タイヤ表面や側面に傷やひび割れがないか確認しましょう。特に長期間使用しているタイヤではゴム劣化が進み、安全性が低下します。
チェックポイント:
- 路上障害物による亀裂や釘など異物の刺さり。
- 側面の膨らみ(内部ワイヤー破損の可能性)。
長距離走行車両へのアドバイス
6万キロ以上走行した車両では、タイヤゴムの経年劣化も考慮する必要があります。製造から5年以上経過した場合はプロによる点検を受けることがおすすめです。
追加メンテナンス:
- 年1回以上のプロによる点検。
- 製造後10年経過したタイヤは早めに交換する。
タイヤの製造年の調べ方
タイヤの製造年は、タイヤのサイドウォール(側面)に刻印されている「DOTコード」を確認することで分かります。
DOTコードの見方
タイヤの側面には「DOT(Department of Transportation)」の文字があり、その後に英数字のコードが記載されています。このコードの最後の4桁が製造年週を表します。
例: DOT XXXX XXXX 3224
「3223」の意味:
- 最初の2桁(32) → 製造週(32週目 = 8月頃)
- 後ろの2桁(24) → 製造年(2024年)
つまり、このタイヤは2024年の32週目(8月頃)に製造されたことが分かります。ただし、以下のような場合もあるので注意してください。
- 4桁の数字がない場合は、タイヤがかなり古い可能性あり(2000年以前の製造)。
- タイヤの片面にしか記載されていない場合があるので、見つからないときは両側を確認。
- 製造年が古すぎる(5年以上)と劣化のリスクが高くなるため、溝が残っていても交換を検討。
まとめ
タイヤメンテナンスは、安全運転だけでなく燃費向上にもつながります。定期的にこまめにチェックすることによって、なにより安心を手に入れることができるので、精神的にもかなりプラスになりますし、異常摩耗を事前に防げたり、極端には事故に遭うリスクを減らしてくれるなど、トータルコストで大きく利点があります。タイヤチェックで快適なドライブを楽しみましょう。