こんにちは。BrummBoooファシリテーターの松岡直紀です。今回のテーマはBrummBoooDriving Societyでの主なテーマでもある、「今あるクルマを乗り続けるために必要なメンテナンス」について考えてみました。そもそも、私たちの生活に欠かせないクルマ。便利さを享受する一方で、その製造や廃棄が環境に与える影響は無視できません。そんな中、クルマを長く大切に使うことが、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となっています。本記事では、車をメンテナンスしながら大切に乗ることの意義と、それがもたらす新しい価値について掘り下げます。
クルマと環境問題:なぜ今「大切に乗る」ことが重要なのか

クルマが環境に与える負荷
クルマは1台あたり約3万点もの部品で構成されており、その製造過程では大量の資源とエネルギーが消費されます。さらに使用後には廃棄物として処理されるため、環境への負担が大きいことが課題です。「Well to Wheel」という言葉を聞いてことはありますか?これは製造から廃棄までに至るすべてのプロセスでクルマが与える環境負荷をアセスメント(査定)していくことの大切さを表している言葉です。具体的に言うと、クルマを製造して使用して廃棄するまでの間には次のようなポイントで環境に負荷をかけているといわれています。
- CO2排出量:製造から廃棄までのライフサイクル全体で多量の二酸化炭素を排出
- 資源消費:鉄、アルミニウム、プラスチックなど、多様な資源を大量に使用
- 廃棄物:使用済みの部品や材料が適切に処理されない場合、環境汚染のリスク
「長く乗る」ことがもたらす効果
クルマを長く使用することで、新車製造時に発生するCO2排出量や資源消費を削減できます。例えば、10年乗った車をさらに5年延命させることで、約20%の環境負荷軽減が期待できるといわれています。つまり、新しいクルマを作っていくことは大切なのですが、ジャンジャン乗り換えた方が環境負荷がなくなっていくか、というとそういうわけではありません。新しく作られる際に出されるCO2や消費される資源を考えていくと、クルマを大切に長く乗っていくことの重要性についてハッとさせられると思います。
メンテナンスで実現する持続可能なカーライフ
定期的なメンテナンスの重要性
とはいえ、クルマは機械です。年数を経るごとに部品の劣化は進みますし、クルマを走らせればそれ相当の消耗品がすり減っていくことになります。機械は一旦壊れてしまうと、再度復活させるまでには大きな労力と時間、そしてお金がかかっていきます。特に日本車をはじめとした精度の高い車両は、メンテナンスが不要だといわれることがありますが、それは一定距離や時間数乗れば捨てることを前提とした考え方です。なるべく長く使っていくためには、やはり適切なメンテナンスが欠かせないのです。適切なメンテナンスは、車両寿命を延ばすだけでなく、燃費向上や安全性確保にもつながるので、結局のところ、環境にもお財布にも優しい、ということになるのです。
では、適切なメンテナンスとはどのようなことがあるのでしょうか。基本的なメンテナンス項目についてみていきましょう。
- エンジンオイル交換
- タイヤのローテーションと空気圧チェック
- ブレーキパッドの点検と交換
- バッテリーの状態確認
- エアフィルターの清掃・交換
メンテナンスがもたらす具体的なメリット
メンテナンス項目 | 効果 |
---|---|
エンジンオイル交換 | 燃費5-10%向上、エンジン寿命延長 |
タイヤケア | 燃費3-5%向上、安全性向上 |
ブレーキメンテ | 制動距離短縮、安全性向上 |
バッテリーケア | 突然のトラブル防止、電装系安定化 |
DIYメンテナンスの魅力
これらのメンテナンスは実は自分でもできることが多いものです。もちろん、なかなか自分ではメンテナンスするのは難しいという方もいらっしゃると思いますが、作業そのものは整備工場などにお任せするとしても、どのようなことをするのかということ知っておくだけでも大きく違います。つまり、自分でメンテナンスを行うことやどのようなメンテナンスを行われたのかをすることで、クルマへの理解が深まり、愛着も増します。また、上記した項目よりももっと手軽なメンテナンスの項目もあるので、下記しておきます。自分のできるところは自分でメンテナンスする、そういう心がけでなるべく余分なコストをかけなくてもクルマを保有することができるようになります。
- 初心者向けDIY項目:
- ワイパーブレード交換
- エアフィルター清掃
- ウォッシャー液補充
- タイヤ空気圧チェック
環境に配慮したカーライフの実践
メンテナンスを自分でし始めると感じるのが、機械であるクルマをもっと大切に乗ろうと思うことです。いつもいつも丁寧に乗らなければならないということではなく、時にはアグレッシブに、時にはエコドライブで、などもっと自由に楽しめばいいのだと思います。地球環境を考える際には、普段はエコドライブで、という姿勢がいいのかもしれません。
エコドライブの心得
- 急発進・急加速を避ける
- アイドリングストップを活用
- 不要な荷物を積まない
- タイヤの空気圧を適正に保つ
- エアコンの使用を控えめに
これらの実践により、燃費を10-15%改善できるというデータもあります。
カーシェアリングの活用
もちろん、クルマを所有するということで得られる家族や知人と過ごす時間はかけがえのないものです。しかし、何が何でも所有しなくてはならない、というわけでもありません。特に、スポーツカーやオープンカーといった特別なクルマの場合は、必要な時だけレンタカーやカーシェアリングを使用することで、総合的な環境負荷を軽減できます。
- カーシェア・レンタカーのメリット:
- 車両製造数の削減
- 駐車場スペースの有効活用
- 必要な時だけ最適な車を選択可能
次世代モビリティへの移行を見据えて

電気自動車(EV)への準備
EVへの移行は避けられない流れですが、既存のガソリン車を大切に使いながら、徐々に準備を進めることも重要です。これからEVの中古車両も市場に多く出てくることも予想できますし、近い将来、EVがあなたの生活になくてはならないものになるかもしれません。その際の準備として以下のようなことに着目して考えておくことも大切だと思います。
- EVへの移行準備:
- 自宅の充電設備の検討
- 日常の走行距離の把握
- 公共充電スポットの確認
- 補助金制度の理解
データで見る「大切に乗る」効果
多少脱線してしまいましたが、とにかくクルマを大切に乗り続けることが地球環境やご自身のお財布にも優しくなること。そして、愛着のあるクルマを所有することの心の満足度にも影響してくることはお分かりいただけたと思います。大切に乗ることによって得られる効果をインターネットに掲載されていましたので、お知らせしておきたいと思います。クルマの寿命は長くなり、事故も減り、そして、最後は売却時もプラスになって返ってくる。こまめなメンテナンスをBrummBooo Driving Societyが提案する理由なのです。賢くクルマを持つためには、メンテナンスは欠かせないのです。
- メンテナンス実施車の平均寿命:13.2年 vs 未実施車:8.7年
- 整備習慣のあるドライバーの事故率:0.07件/年 vs 全国平均0.23件
- 中古車査定額差:5年車で平均28万円の差
持続可能なカーライフを実現する7つのアクション
- 3ヶ月サイクルで基本5項目チェック
- 整備記録をデジタル化(こちらはBrummBooo Driving Societyのサービスとして開発中!)
- 普段は、エコドライブを意識した運転を
- スポーツカーやオープンカーなど特別な体験はカーシェアやレンタカーを活用
- 長期的視点で自分が好きなクルマを選ぶこと
- 自動車整備工場のネットワークを知る(こちらもBrummBooo Driving Society のサービスとして構築中)
- 次世代モビリティへの理解を深める
まとめ:一人ひとりの意識が未来を変える
車を大切に乗ることは、単なる節約や愛着の問題ではありません。それは、限りある地球資源を効率的に使い、次世代に豊かな環境を引き継ぐための重要な取り組みです。
BrummBooo Driving Societyでは、こうした持続可能なカーライフを実践する人たちにフォーカスを当てていきます。あなたの愛車との付き合い方が、未来の自動車文化を形作る一歩となります。今日から、愛車との新しい関係性を築いてみませんか?